久々に小説を読んでみました。
ツイッタで辻村 深月の最高傑作と紹介されていて、興味を持ったのがきっかけです。
この作家さん、以前デビュー作を読んで、あまりにも繊細すぎる人物の心理描写に
あまりにも繊細過ぎて理解できないというか・・ちょっと苦手意識を持っていました。
あまり内容には触れないようにしますが。。
作品の中で、孤立する主人公に対し、無理解に接触する先生が出てくるんですが、
そいつが少女の心情を全く理解しない上に、加害者を擁護し続ける。
そんな先生に対して、だめだ・・この人、言葉が通じない・・と少女が絶望するシーンがあります。
この感覚が非常に印象深くて。
映画でも漫画でも読んでも言語化できない何かが残ったら、作品について安易にも検索をかけるのですが、
作品の感想で推理小説としての評価があまりにも多く「ええ・・」と思いました。
どんな読み方しても自由だけど、言葉通じてないんじゃないか?(辛口)
印象的な感想として、現在孤立している人間にとって絶対的な味方ができる物語なんて毒にしかならないというものがありました。
それはそうだな、と思ったし、読んでいるときも、これ傷つくひとがいるんじゃないかって思って読んでた。
で、それから数日経って、それはそうなんだけど、それでも過去に同じ経験をした人間が必ずいる、
わかってくれる人は必ずいるんだ、ということを訴えた作品なんじゃないかな、とも思いました。
そんな作者の切実な願いに思いを馳せると、やはりとても切なく、つらく、しんどい作品だと思います。
それでも渦中にある子供たちが大人の願いに気づくことは難しいと思うので、
たぶん身の回りにそんな子がいてもこの作品を薦めるのはすごく慎重になると思う。
記憶に残る読書体験でした。
がちゃぴんこ